高校2年生記念写真 中央の黒っぽい背広姿は大将 昭和33年4月撮影のもの
雨の日、退屈凌ぎに古いアルバムを紐解いていたら、高校時代の写真に目が留まりました。
目が留まったのは自分達生徒にじゃなく先生の方にです。
最前列の中央に黒っぽい背広姿の威厳のありそうな先生、人よんで大将、その人です。
名前の由来は、戦時中は軍人さんで、どうやら将校だったらしいと言う事で、位はともかく「大将」の名が付いたようです。
この大将、今の時代にはチョット居ないユニ-クな先生で、教科は美術でした。
大将は教室に入ってくると、無言でしばらくは一同を睨み付ける様に見渡します。それから、ゆっくりと出席をとりますが、すべて姓名をはっきりと呼び、返事が悪かったり、態度が悪いと、即座に本人の所まで赴き、しばらく睨み付けます。この睨み付ける時間が半端じゃなく、5分間?はオ-バ-かもしれませんが、その位しっかり睨み付けます。睨み付けられている当のご本人は、この形相が可笑しくなって、遂には吹きだしてしまい、それに怒った大将は、今度は、「何が可笑しいか、まだ笑うか、まだ笑うか・・・・・」とその人のほっぺを抓ります。それを見て全員がクスクス笑い・・・・・・
こうして、時間の半分くらいは費やしてしまいますが、時には戦争の経験談を延々と・・・・・
図画の時間となると、画用紙を配り、「君達が一番うつくしいと感じる色を付けて来なさい!」です。
絵を描くじゃなく、好きにしなさいと言う意味合いのものです。
たっぷり2時間は有る、このゆとりの時間を提供してくれるのです。画用紙を手に全員、堰を切ったように教室から飛び出して行き、思い思いに遊びまわり、時間少し前になると、その画用紙に、草を擦り付けたり、泥を塗りつけたり、手形を押したり、勝手気ままにした作品?を提出するのです。
中には白紙のものも有りますが、名前だけは書かなければなりません。この名前に重要な意味があるのです。
テストの時は、答案用紙に名前だけ記入して、白紙回答でも60点は頂ける仕組み?です。なぜって、それは各人、ご両親が考え抜いて付けられた名前ですので、その名前に対して合格点の60点は与えられると言う発想です。すごいと言うほかは有りません。
こんなユニ-クな先生に巡り会った事自体、Hikoさんにとっては、かけがえの無い思い出深い高校生活だったと言えます。
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